はじめに
Wargame:RDの目玉要素として追加されたはずの海戦。しかしこのシステムはあまり洗練されていない。理由は主題から外れるので省略するがとにかく現状ではクソとしか言いようがない。しかしそんなクソったれの戦場でも戦わねばならないときはある。そこで今回はそんな戦場で生き延びるための方法について述べる。
海戦の特徴
Wargameの海戦ではセクターの確保といった一部分では陸戦と共通するところもあるが、海の上では陸のように森や市街地といったユニットを隠せる場所がない。そのためユニットを隠すには地形やスモークといった形で視界を通さないようにするか、ユニットのステルス性に頼るしかない。なので拠点確保用のCVや補給艦はなるだけ島影に隠して攻撃のリスクを下げ、一方で対艦ヘリコプターを積極的に偵察に出しそういったユニットの位置を早めに見つけ出すことが重要である。
海戦ユニットの種類
海戦用ユニットは様々な種類があるが大きく分けると
- 大型艦
- 小型艦艇
- 河川用舟艇
- 対艦攻撃機
- 対艦ヘリ
- 上陸部隊
に分けられる。それぞれ具体的に紹介すると
大型艦
「遠洋」属性を持った大型艦は十分な深さのある沖合でしか活動できない。そのため浅瀬をショートカットできず大回りを強いられたり、島影に隠す際に不都合が生じることもある。しかしこれらの艦艇は強力な耐久力と火力を持ち、さらにCV属性を持っているので絶対に出さなければならない。海戦はこの主力艦兼CVをいかに守るかにかかっている。
また、大型艦はCVを兼ねているので海戦オンリーのデッキでは数をある程度入れておかないと占領が出来ずに泣きを見る。ゲームスタート時点で配置されるCVは持っているCVの中で一番安いものなのでこんごう、ウダロイ、ソブレメンヌイが初期でマップに出ているプレイヤーはそれしか持ってない地雷プレイヤーだ。
小型艦艇
「沿岸」属性を持つ小型艦艇は耐久力こそ大型艦に劣るものの総じて速力に優れ、またモノによっては大型艦に劣らない火力をもつものもいる。そのため彼らは大型艦の援護をするのが基本となる。場合によってはこれだけで艦隊を組織することもあるが基本はあくまでも補助艦である。
河川用舟艇
「河川」属性を持った河川用舟艇は耐久力、火力共に海軍ユニットの中では貧弱である。またごく一部を除いて速力も遅く、さらに対艦ミサイルの迎撃能力もないため艦隊につけるとただの足手まといとなる。その代わりこれらの船は橋をくぐって河川を遡上しある程度内陸まで活動できるため地上部隊の援護で活躍する。というかそれしか出来ないと考えたほうがいい。1つを除いてだが。
対艦攻撃機
対艦ミサイルのみ、あるいは対空ミサイルと混載で出撃する航空機。ミサイルの性能や数は機体による。全てのミサイルを一斉に発射するため多数をそろえればそれだけで飽和攻撃が出来るが、数が出ないのとコスト的に重いのがつらいところ。また対空ミサイル持っていなかったり持っていても対航空機用か対ヘリ用のどちらかなので注意。
対艦ヘリ
対艦ミサイルのみを搭載した攻撃ヘリ。海上戦では遮蔽物が島といった地形しかなく、遠距離からヘリを撃墜できる手段が限られるので敵艦隊の防空圏外を飛び続けることを意識すれば優秀な偵察部隊として活躍できる。ミサイルの性能はピンキリだが数が揃えば一隻ぐらいは沈められるだろう。ただし補給が面倒なのでミサイルは使い切りと思ったほうがいい。
上陸部隊
上陸艇に乗った地上部隊。上陸艇は河川属性なので内陸部までいけるがわざわざそこまでする必要性も薄い。
デッキの組み方
ユニットの種類を一通り紹介したので次はデッキの構築について簡単に説明する。デッキの組み方は三種類に大別される。海上戦オンリーデッキ、地上戦デッキの海上戦力、上陸戦デッキである。
海上戦オンリーデッキ
海上戦マップでのみ使用されるデッキであり、NATOとPACTの二種類しか存在しない。このデッキを編成する際は大型艦(CV)と小型艦をそれぞれ2枠以上、対艦ヘリコプターと対艦攻撃機を1枠ずつ、そして2枠の補給艦を入れることである。デッキには9枠あるが9割がたデッキ構成は予め決まっているようなものだ。
地上戦デッキの海上戦力
普通のデッキにも5枠だけだが海上戦力がついてくる。これらの戦力は陸海共同マップで投入することになる。たった5枠だけだがこのデッキはかなり自由度が高く、個性が強く出てくる編成となる。なぜなら海上ユニットは上陸部隊を除いてデッキの縛りの制限を受けず、また必ずしも大型艦(CV)を必要としないからだ。そのためこの部分に関してはプレイヤー個人の価値観に基本的に委ねることにするが、味方が海上戦で惨敗したときに備えて対艦攻撃機ないし地対艦ミサイルぐらいは入れておいてもいいかもしれない。
上陸戦デッキ
上記の亜種であるが地上戦デッキの場合はあくまでも地上の作戦を支援する程度の戦力であるのに対して、こちらは積極的に制海権を握って制海権を背景に敵の側面をつくという戦略をとる。豊富な海上戦力が必要なため海兵隊デッキは必須である。まず敵の海軍のリスポーンを妨害するため大型艦(CV)1枠は必須である。またCV艦を援護し制海権を確保するための小型艦や対艦攻撃機をいくつか用意する必要もある。そして残りの枠で偵察、対空、前線部隊の3点セットを乗せた輸送艦も用意する。海岸線だけなら海軍の支援が得られるが少なくともこの3つが揃わないと内陸部へ進撃できず海岸で狙い撃ちにされ、いたずらに消耗するだけである。また輸送艦は地上からリスポーンしたユニットも載せられるので、撤退時に壊滅するリスクが跳ね上がるが、上手く回せば上陸地点の兵力を増強することも不可能ではない。このデッキの注意点は最前線を支えるだけの兵力を自前で用意できないので味方に丸投げしなければならず、最前線が支えきれず壊滅するか上陸作戦に失敗すると強力な地上ユニットを用意しづらい海兵隊デッキの弱点がもろに出て前線すら支えられなくなることから大人数戦でしか使えず博打性が非常に高いことである。NOOBの烙印を押されたくなければ使うべからず。
海上戦のやりかた
海上戦がたといシステムとして洗練されたものでないにしても、何も考えずに戦えば惨敗するのは陸戦と同じことである。とはいえ陸戦と比べマップやデッキ縛りによる戦略、戦術への影響はきわめて小さいのが海上戦の特徴とも言える。そこでささやかながら海上戦における「コツ」を、攻撃と防御の観点から簡単に論じる。
ミサイルは万能じゃない
対艦ミサイルは多くの艦艇航空機に搭載され、圧倒的な威力と射程をもつため主力兵器だと考えている人は多いだろう。しかし60年代のアメリカよろしく「ミサイルさえあればいい」というわけではない。ミサイルにも欠点は存在する。
対艦ミサイルは迎撃される可能性があり、直撃コースでも当たらないことがある。相手ががっちりと陣形を整えている場合はなおさらだ。
さらに対艦ミサイルは補給物資を大量に必要とするので後先考えずに乱射すれば補給艦の物資を瞬く間に使い切ってしまう。そうなれば攻撃どころか防御すら弾薬不足で十分に出来なくなる可能性さえある。
また、対艦ミサイルは地上部隊はもとより「河川」属性の船には発射することが出来ない。河川用舟艇にミサイル迎撃が出来ないのはこのためである。
ミサイルの使い方
対艦ミサイルでダメージを与えるには
- それ自体の命中率
- ECMによる命中率マイナス補正
- SAMやCIWSによる迎撃
の三つを突破する必要がある。上二つはどうしようもないとして、最後の迎撃を突破するかが焦点となる。具体的な方法としては孤立した敵を狙うことと飽和攻撃だ。
各個撃破
我の全力を以って敵の分力に当たるは兵法の基本なり。遮蔽物や逃げ場のない海上において孤立している部隊は非常に脆弱である。側面攻撃の危険を避ける意味でもまずは二、三隻で動く小さな艦隊から片付けるべきだ。こういった部隊は対空砲火も薄いため少ないミサイルで処理できるし、確実に沈めることで相手の手駒を減らすことにも繋がる。一方、こうならないためにも味方の艦隊は可能な限り集中させ対空砲火を強化し、部隊を分ける際も敵の攻撃に耐えられるだけの防空は確保しておくほうが無難である。
飽和攻撃
10でダメならば100を投入する、WW2のソ連のような発想だがこのゲームではしっかりとした陣形を組んだ艦隊に対して唯一取れる手段だといっても過言ではない。要するに大量のミサイルを一斉に浴びせれば確率やら迎撃やらお構いなしにダメージを与えられる。ここぞというときまで対艦ミサイルの武装をOFFにして温存し、あるタイミングで一斉にONにすることで一斉発射が出来る。一斉にONにする際は若干のリスクはあるが全ての船を選択した上で射撃停止命令を一回出しすぐに解除する方法がある。(初期設定ならばFキー二回押し)航空隊や味方艦隊との攻撃と合わせればより効果的な攻撃が出来るので可能ならば狙ってみるとよい。
艦砲射撃
例外的な方法だがあえてミサイルを撃たないまま突進し艦砲射撃でダメージを与えるという方法もある。砲撃ならば迎撃する手段がないため確実にダメージを与えられるが裏を返せばこちらにも損害が出てしまうやり方とも言える。しかしこれにミサイルを組み合わせることで戦闘がより有利になることがある。
結論から言うと「状態異常に陥った敵艦にミサイルを発射する」というやり方である。特にレーダーが損傷した艦艇は全ての武装が一時的に使用不能になるので、その間にその船に対してミサイルを発射するのだ。いかにウダロイといえど武装が使えなければただの的である。ただしこのやり方はこちらも状態異常が発生しうるというリスクを常に抱えるため突入した部隊の状態には十分に注意すること。相手のフィールドに突っ込んでいることを忘れてはならない。
陣形を組んで身を守る
さて、ここまで「攻撃」について語ったのでつぎは「防御」について解説する。海戦の場合「防御」といえば9割方ミサイルに対する防御とも言えるが。
ミサイルに対する防御能力は性能表における「近距離防衛」の欄に表示される。若干当てにならない部分もあるので過信は禁物であるが、少なくとも「普通」以上の性能はほしいところである。
防御について必要なことは3点である。
まずは固まれ
まず陣形を組むに当たって必要なことはとにかく「固まる」ことである。固まることで対空砲火の密度を上げればそれだけ敵のミサイルを撃墜できる可能性が高まるし、反撃の際にもミサイル発射のタイミングを合わせるのが容易になる。しかし固まりすぎてはいけない。対艦ミサイルには直撃した場合のAP属性と共にHE属性も付加されており、超至近距離で撃墜すると思わぬダメージを受けてしまうし、補給艦をはじめとして多くの艦艇は撃沈された際大爆発を起こして周りのユニットに甚大な損害を与えることもある。そういったリスクを避けるためにも艦艇はある程度分散させたほうがいい。しかし分散させすぎて防御をおろそかにしては本末転倒である。何事もほどほどに。
安いユニットは外側に
陸戦で高級戦車をなんとしても守らなければならないように、海戦でもコストの高いユニットは可能な限り温存しなければならない。特に主力艦がCVを兼ねている場合はなおさらである。そこで安いユニット(ただしミサイルの的になるもの)を前に出しておくことを推奨する。そうしておけば最初の一撃は外周の安いユニットに向くと同時に、射程の短い対空が外側に出るので効率的な迎撃が出来るので全体の生存率が上がるのである。
射線を意識して展開する
いかに強力な武器を持っていても使えなければ意味はない。効率的な防空のためには船の「武装」を敵に向ける必要がある。艦艇は地上部隊のように自動で敵に向けて方向を転換することはないためこのあたりも自分で管理する必要がある。基本的にはミサイルの来る方向に対して横に向けるのが正解であるが、はつゆきだけは真正面を向けたほうがより効率的である。またどの艦艇も敵に背を向けるのが一番危険である。
もし負けたとしても
「攻撃」と「防御」の二点から海上戦を論じたが味方がNOOBだったり運が悪かったりすると負けることもあるだろう。だからといってゲームを抜けるのは大迷惑この上ないことだ。海上戦オンリーならばさらに船を出して逆転を狙うしかないが陸海協力マップでは他の方法で敵艦隊を削ることも不可能ではない。ただしこれらは海軍デッキに入っているため敵がCVをねじ込んで投入できなくなる前に出す必要がある。
対艦攻撃機
対艦ミサイルを積んだ攻撃機である。性能面は射程や弾数で選べばいいだろう。特に射程が長くないと反撃を食らって撃墜される可能性が高くなる。使い方は単純で多数のミサイルをたたきつけるのが仕事なので可能な限りたくさん用意して一斉に飛ばすのが基本である。F111GとA-6のように速度に差がついてる場合は遅いほうを先に出してミサイル発射のタイミングを合わせよう。
地対艦ミサイル
海上戦で敗北した指揮官の最後の希望ともいえる地対艦ユニットはその圧倒的な射程を利用すると一方的にミサイルを浴びせることが出来るし森に隠すことによって見つからないままミサイルを発射することも出来るが砲兵などを含めた敵の反撃に最も脆弱である。使い方は基本的に森などに隠し、地上の偵察ユニットなどの視界を頼りにミサイルを一斉射撃することである。そのため必要なのはとにかく弾数であり、SEABUSTERかBALさえあれば十分である。
海を完全に捨てる
これも例外的な方法ではあるが沿岸部から完全に撤退して内陸部での戦闘に注力するという戦術もある。まあ対艦攻撃機や地対艦ミサイルが出せなかったor撃破された場合の最終手段だが。海から十分に離れた内陸で戦えば海軍部隊は完全に遊兵になるし、河川舟艇はATGMを数発打ち込めば撃沈できるので何とか対抗できる。あとは陸戦で損耗を抑えつつ敵の地上部隊を叩き潰そう。ただし海上と沿岸のセクターを全て明け渡すので収入面で大きな差をつけられていることに留意すべし。
最後に
海上戦について必要な最低限の知識はこんなところである。これだけ解説しておいてあれだが基本的に海戦はPACTワンサイドのクソゲーである。NATO海軍は地対艦、空対艦ユニットを組み合わせてやっとこイーブンまで持っていけるかというレベルなので正直初心者にはお勧めできない。逆に言えばPACT海軍はNATOよりも強力であるため練習するためにはPACT海軍をお勧めする。そして最後に、正直なところ海上戦オンリーのマップや上陸戦を試みない限り海軍ユニットを積極的に使用することは少ないだろう。というのも陸海共同マップにおいて、(Smoke in the waterという例外を除き)海軍が勝敗を直接決することは無いからだ。制海権を握れば沿岸部で自由に活動できるだけで、内陸に引き下がられたら最終的には陸軍で決着をつけるしかない。その割に海軍ユニットは全般的にコストが高く壊滅した際の戦力的損失が大きすぎる。陸海共同マップで積極的に艦隊を組織して決戦を挑むことはリスクが多い割には実入りが少ないのだ。海軍に下手に戦力を割くぐらいなら地上戦に全力を注いだほうがいい。海軍を出したせいで戦力不足の戦線を強引に突破して相手の戦意をくじくべし。
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