知っての通り、イスラエル国防軍（ Tzahal、ツァハル）がユーザー投票の結果Wargame: RDにDLCとして配信されることが決まってから、開発スタッフは何もしていなかったわけではない・・・。
幾つかの車両と航空機はまだ3Dモデルを作成中であることは以前から述べているが、ユニットのバランス調整については順調に進んでいる。したがってこの記事ではゲームデザイナーのFélix “FLX” Habertに、イスラエルをどのようにWargameの国家として組み込んでいるかを説明してもらうことにした。
まず地上軍について。IDFの地上部隊は「強力な戦車」「強力な対戦車誘導弾」「豊富な歩兵の選択肢」「信頼に足る砲兵部隊」で構成される。
FLXの言う「強力な戦車」とはもちろんメルカバシリーズのことだ。正面装甲は非常に分厚いが、側面をつかれれば脆弱だ。メルカバはイスラエルの唯一の国産戦車だが、唯一の選択肢ではない。IDFはイギリス戦車（センチュリオン）とアメリカ戦車（M60パットン）を輸入していて、中には装甲が強化されたものもある。そして隣国が以前の戦争で使ったソ連製の鹵獲戦車（T-55とPT-76）も保有している。
Wargameの時代の初めの方では、IDFは外国製のATGMに依存していた。多くはTOWと・・・あのM47ドラゴンだ！70年からイスラエルが必死にATGMの開発に理由を説明するにはこれで十分だ。そしてイスラエルが高性能なATGMの試作と開発を続けた結果、スパイク（歩兵用と車載型）やMARPATS(TOW2の派生型)、あるいはLAHAT(砲発射型)と、その努力は実りの多いものとなった。殆どが破壊力よりも長射程か高精度を重視している。一方で破壊力のあるNimrodミサイルも存在する。
IDFの歩兵部隊は様々な役割と兵科縛りに対応している。正規兵 (Roivat)と予備役 (Miluim)、 海兵隊的な部隊 (Givati)と空挺部隊 (Tzanhanim) があり、MANPAD,や火力支援歩兵と ATGM 班も存在する。もちろん精鋭部隊も登場する。 偵察部隊 (Bedouin)やコマンド部隊 (Shaheyet 13)、特殊部隊(Maglan)はそれぞれの役割に応じた装備を持っている。
最後の長所は砲兵部隊だ。だが実際には最先端の兵器は少なく、代わりにマクマト160mm(!)自走重迫撃砲やMAR-240のようなWW2時代のシャーマンに珍しい火砲を積んだ自走砲を運用する。
榴弾砲は殆どがアメリカ製のロチェフ(M109A2)とカルドム(M110A2)だが、ロマク(M107)のようにERFB砲弾による長射程化を施した独自改良が行われている事もあるし、メルカバの車体を使用したショレフ自走榴弾砲はイスラエル国産の自走砲だ。
イスラエルはMLRSも戦闘に投入できる。先程言ったMAR-240はもちろん、センチュリオンの車体に搭載されたより大型のMAR-290、そしてより小型のMAR160はより多くの砲弾を搭載している。
イスラエルの地上部隊は空軍に支援を求めることもできる。多くのアメリカ製航空機(A-4、F-4、F-15とF-16)とフランス製航空機(ミラージュⅢとⅤ)、そして独自回収型(クフィル)と試作機(ラヴィ)を保有している。イスラエル空軍は「近代的な電子戦機と制空戦闘機の支援の下、誘導爆弾を多数搭載した攻撃機による効果的な航空支援」を地上部隊に提供するだろう。
一方の回転翼機部隊は、ラハタット(TOWディフェンダー)とその派生型からわかるように対戦車任務を特に重視している。ペテン(アパッチ)はその傾向を最も強く反映しヘルファイアを満載した状態だ。ツェファ(コブラ)はより汎用的なガンシップ/近接支援機となっている。
しかしIDFにも弱点は用意されている。最も大きいのは（地上部隊の）防空能力だ。最良(?)の対空誘導弾(ホーク)も対空砲(M163)もレーダー属性を有しているために、SEADによる攻撃を受ける。レーダーを全て切れば、残るのは旧式の20mm連装機関砲(BTR-152 TCM 20)と短射程のIR誘導の対空ミサイル(チャパラルとスティンガー)だけだ。
イスラエルの特徴の一つは、IFVが無いことだろう。にも関わらずメルカバは1種類が歩兵輸送車として運用される(代わりに105mm砲の搭載量がとてもとても少ない!)。そして装甲車の不足を補うため、マグナホンやアチザリットのような複数の重装甲兵員輸送車を配備している。これらは主力戦車級の装甲を持っていて、上面装甲もクラスター弾頭に耐えることができる。これらの装甲車は一方で軽武装なので、あくまでも歩兵を安全に移動させるために用いるべきだろう。
Wargame: Red dragonイスラエルDLCは2016年10月4日に配信予定だ。（以下略。
※以前行われた公式生放送についてはYoutubeのアーカイブを参照
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