2018年7月4日水曜日

(少女前線/Girl's frontline)世界観解説: 「10年の蜜月関係、南極連合の創設と第1次南極戦争」(2)

UURSGは少女前線におけるルクセト連合の事(そもそもルクセト連合という単語が本編で出ていないが・・・。)
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10年の蜜月関係、南極連合の創設と第1次南極戦争(2)

邦人保護のため南極は2089年に攻撃作戦を開始した。「スネークスレイ」と名付けられたこの作戦が、第1次南極戦争の始まりである。

 UURSGは宣戦布告を真面目に受け止めず、人口が3000万人にも満たない南極の軍事力を侮っていた。しかし南極は崩壊・逆崩壊技術の導入を数年前に終えており、UURSGの防衛線は雪崩のように崩壊した。UURSGの指揮官達は、南極の用いている戦術から射撃指揮装置の精度の高さまで、全てが自軍の数世代先の能力だと知ることになった。南極軍の情報処理能力と捕捉速度はUURSGのそれと比べれば指数関数的な差があり、一方的な戦いになる事は明らかだった。AR.コップ NB-90 物質輸送艇[17]が航空優勢を維持したため、UURSGは航空兵力の投入において苦しい状況を強いられた。また早期警戒能力と精密な捕捉能力により、南極はマルチトラック低高度ミサイルを用いてUURSG艦隊を事実上一掃し、UURSG艦隊の増援の展開を阻止した。高効率自己制御システムと「トロリー」ガンシップの援護を受けた少数の歩兵部隊は、スーパーマーケットで買い物をするかのように自分たちの数百倍の人数のUURSGの兵士を排除した。南極軍に兵站能力の限界がなく、UURSGの長大な海岸線を封鎖して、南極政府の外交政策の維持がされていれば、この戦争はすぐに終わっていただろう。しかしUURSGは大量の長距離弾道ミサイルで多数の輸送基地に無差別飽和攻撃を行って南極軍の侵攻を妨害し、一方の南極政府はUURSG所属の内陸国への報復攻撃を禁じたため、戦争は膠着した。とはいえUURSGが崩壊・逆崩壊技術を使いこなせなければ、南極へ抵抗することはできないのは明らかだった。

 遺跡の発掘と研究の禁止は直ちに解除され、論理物理学研究に対して莫大な投資がなされた。しかしこの技術を完全に理解することはできなかったため、UURSGの研究機関は1世紀近く前に行われた非人道的な手段を用い、遺跡を起動させて解析を行うという最も直接的で効率的な方法へ傾いた。

 遺跡を起動させる作業は速やかに開始された。しかし遺跡の設備を完全に機能させるためには遺伝子配列が完全に適合してなければならないことが、GAVIRUL再現計画における「ブラック・リリー」と「ホワイト・ローズ」の失敗で判明している。この研究を最初からやり直すのは決して容易ではない。遺跡研究の関係者が希望を失う中、13年前にGAVIRUL実験体を製作するための新たな計画が行われていたことが判明した。その計画は「三女神計画」と呼ばれていた。

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