配信開始になんとか間に合った。結構前の記事なので注意
ソースは公式ブログ
先日紹介したユーゴスラビアに続いて今回はもうひとつの追加国家であるフィンランドについての記事だ。一部の人にとっては(前作Wg:ABのころから)待望のフィンランド国防軍を紹介していこう。
フィンランド軍の3Dモデルはすべて完成しており、ゲームバランスはテストプレイによる調整を行う段階になっている。今回の記事ではリードゲームデザイナーのStephan ‘Panzer‘ Hernandezと、同じくゲームデザイナーのFélix ‘FLX‘ Habert(Razzman先生の動画でネタにされる人2号)に話を聞いてきた。
彼ら曰く、フィンランドのもっとも強力な要素は「素晴らしい偵察部隊」だ。この「偵察軍団」は隠密性重視から戦闘力重視まで選択肢が多く、同じく強力な「近接戦闘を重視した」歩兵部隊によって補完されるだろう。実績はあるが旧式のWW2時代のスオミ-KPサブマシンガンを未だに幾つかの歩兵部隊(他国と同じく重要性の低い2線級の部隊にも)に配備しているが、「CQC属性を持った機関銃を持った突撃兵と特殊部隊のおおさによって森林部や市街地における敵の掃討を不気味なほど迅速に完了させる」事ができる。冷戦時代においても、森のエルフは領地を守るべく目を光らせているのだ。
もう一つのフィンランドの特長として、有力な支援兵科が挙げられる。冷戦終結までフィンランドは東西双方の高性能な防空兵器を配備しており、「よく整備された効果的な防空網」を構築していた。またフィンランドは様々な口径、規模を持つ迫撃砲の生産国としても有名だ。(当然フィンランド軍自身も運用する。)
THE EYES OF THE ARMY
フィンランド軍の偵察兵科はもはや小さな軍隊と化している。その歩兵部隊を代表するのがスオミ-KPサブマシンガンを持ったSissiである。更にErikoisrajajääkäriという特殊部隊も存在し、今後は彼らの名前を見るだけで恐怖することになるだろう。この部隊はSASやLSTRと同じく威力の大きい対戦車火器と対空ミサイルの両方を持っている。さらにスタローンが使ったこともある。ジェティマティックサブマシンガンもだ。この2つの部隊は待ち伏せや敵地後方での襲撃、破壊工作で活躍するだろう。
フィンランドをゲームに登場させると同時に、我々はバイクという新しい種類のユニットを追加することにした。2輪車はおそらくモデルを作れないので正確にはATV(全地形型車両)だ。 Mönkijäはより見つかりにくく軽快な偵察ジープのようだが、当然ジープよりも脆弱だ。
フィンランド国境警備隊は偵察ヘリコプターを提供する形で偵察部隊に貢献している。古風なアルレット2とより近代的なジェットレンジャーがそれだ。後者は暗視装置の他レーダーも装備しており、視界Exceptionalの偵察ヘリコプターとして実装されている。
最後に「偵察軍団」に配備された多様な車両を紹介しよう。もはやどこにでもいるPT-76Bと、それよりかは珍しいBMP-1 TJJ、そしてより新しいものになれば強化型のT-55M PionpsvとプロトタイプになっているBMP-1KTがある。後者の武装は、なんと破壊力のあるブッシュマスターⅡ30mm機関砲だ。
THE GUERILLA ARMY
偵察部隊だけでなく、フィンランドは歩兵部隊もとても強力だ。2種の仕様がある海軍特殊部隊 (Rannikkojääkäri)、複数の選択肢がある突撃兵 (Panssarijääkäri)と軽歩兵 (Kaartinjääkäri)はどれもCQC属性を持っている。それらにくわえて正規兵(Jääkäri)と遺物といっても過言ではないラハティ対戦車ライフルを持った予備役(Nostoväki)までいる。最初予備役は10人編成の普通の歩兵だったが、後に5人編成の火力支援歩兵に変更された。
フィンランド軍は過去ATGMが欠落していたために、火力支援歩兵(Raskassinkoryhmä)がMusti 95mm無反動砲を装備している。後にPstOhj 82M (Konkurs)とプロトタイプのPstOhj 94 (Spike-MR) を配備したため、フィンランド軍は対戦車歩兵に関しては問題は無くなっている。
また指揮歩兵と対空歩兵(ITO 78とITO 86M)もフィンランド軍には用意されている。
NEVER WITHOUT MY MORTAR!
フィンランド軍を迫撃砲抜きに定義することはできない。フィンランド軍と迫撃砲はコインの裏表のようなものだからだ。イスラエルのマクマト自走砲が積んでいるのはフィンランド製のM-66ソルタム迫撃砲だが、これはフィンランドでも運用されており (TelaKrH 66)、他の82mm/120mm迫撃砲を補佐している。迫撃砲以外にも122mmのPSH 74 (Gvozdika)と152mmのTELAK 91 (2S5 Giatsint-S)という2つの榴弾砲がある。
MLRSの戦力も優秀だ。RAKH 76(BM-21)、RAKH 89(RM-70)とRAKH 91(BM-27)はナパーム、榴弾、クラスターのいずれかの弾頭で強力な支援砲撃を行うことができる。
続いて防空部隊だ。80年代初頭のフィンランド防空部隊 (Neva, ZSU-57-2とZSU-23-2をトラックに搭載したSergei)は精彩を欠いていたが、90年代までに大幅な近代化を遂げて西側と東側の両方のITO 96 (Buk-M) & ITO 90 (Crotale NGをXA-185装甲車に搭載している)という2種類の対空ミサイルを導入した。機関砲はITPSVマークスマン(Marksman砲塔をT-55の車体に搭載している) とsly Sergei Modを導入した。後者の外見は旧型だが侮れない性能を持っていて、より高価な対空兵器よりも効果的な防空兵器となりえる。これらの兵器によって構築された防空網はまるで蜘蛛の巣のように敵航空機を捕まえることができる。
HELL ON WHEELS
フィンランド軍の車両は多数の装輪車両で占められている。シス・オート社のあるフィンランドらしく
XA-180装甲車はフィンランド軍の主力装甲車となっている。装甲兵員輸送車 (XA-180, XA-185, …)や歩兵戦闘車(擲弾銃を装備したプロトタイプのXA-185KRKKに、ブッシュマスターⅡを装備したXA-185KT)と対空車両 (ITO 90)、戦車駆逐車(Pstpsajon)、指揮車両など派生型も多い。
ユーゴスラビアとは違いフィンランドは自動車化デッキが強力になる。対して機械化部隊 (ATGM非装備のBMP-1とBMP-2)は貧弱だ。
戦車を見てみると、フィンランドは他の国ほどは多くの戦車を持っていない。しかし信頼性の高いT-55/T-72はフィンランドで改修されており、FLXの言葉を借りるなら"glass cannons"(火力特化型)になっている。極めて高い命中精度と威力を持つ代わりに他国に比べれば軽量な戦車群だ。しかし重戦車がいないわけではなく、さらなる改修が施されたT-72M1MODはT-80Uやルクレールに匹敵する性能を持っている。
それと・・・3号突撃砲も Sturmiという名称で登場する。フィンランド軍は70年代なかばまでこれを使っていた。
ACHILLE’S HEEL
フィンランド軍は兵科別に見ると強力なものがいくつかあるが、同時に弱点も抱えている。1947年に結ばれたパリ条約によって、フィンランド空軍は航空機に対戦車ミサイルやクラスター爆弾を搭載することができず、対レーダーミサイルも保有できない。とはいえ航空戦力が全くいないわけではない。
もう一つの弱点は攻撃機だ。HH-10 (TOWデフェンダー)や少数のMi-8攻撃ヘリ、そして戦時急造品の機関砲やロケット弾を搭載した航空機くらいしか存在しない。
全体的に見て、 テストプレイ中のフィンランドは機動性の高い車両と優秀な歩兵、そして火力特化型戦車(T-72の火力特化型はAMX-30よりは遥かに重装甲だが、東側基準では紙装甲だ。)の存在によって「東側のフランス」に仕上がっている。
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